どう羽生をよんで。

「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか」略して「どう羽生」を読んだ。
ちょっと前に、だけど。
観戦記とその間に挟みこまれたインタビュー。
という形式が何章かにわたって書かれている。
観戦記についてはいまだWEB上で見ることが出来るらしい。


全体を通して興味深かったというのが私の感想。
特に山崎先生へのインタビューで、山崎先生を(より)好きになった人は多いだろう。
私も天上の人が地上に降りてきた身近さを感じて好きになったうちのひとりだ。
深浦先生の表現力にも驚いたし、教授の考え方にも頷くところも多く、良い本であったとは思う。


ただ、個人的に引っかかる部分があって、今まで感想を書くのを控えていたわけだけれど、やっぱり書いちゃった。
ということでネガティブキャンペーンなので以下注意。
見づらいように反転しないと見えないようにしておきます。
あくまで私個人の感想であり、皆が同じようなことを考えているわけではないので、本を買おうかなあという人は見ないほうがいいと思うし、影響されないでいただきたい。
あと、たぶん著者の書きたかった意図は(私には)伝わってない。
けどたった一文書かなくても良かったんではないかという文章がずーっと引っかかっているのも事実だ。




私は、数少ない特定棋士を応援する将棋ファンで、というか将棋ファンといったらおこがましいかもしれないが、まあ特定の棋士がいなければたぶんこの世界には入ることはなかった。
そこまで入れ込んだ棋士について仲の良い棋士がインタビューに応えている。(第4章)
結構繊細な内容なので、個人的には本人にインタビューしてもらいたかったし、フォロー(第5章)を入れるなら「質問三羽烏」(あえてこういう言葉を使う)と揶揄された棋士にではなく、別の人間にフォローをしてもらいたかった。
といっても深浦先生は私も好きだし、私個人としてその情報収集は仕方ない部分も多いんじゃないかと思っている。
だが、同じような情報収集をする人間が、情報収集の仕方を非難することはないのだからその人がフォローをしていてもあんまりフォローになってないよなあという気分ではいる。


もともとTwitter上で三浦ファンにとっては少し引っかかる部分がある、ショックを感じたというのを見かけ一時購入するのをやめようか考えたこともあった。
本屋さんで軽くみて、まあ特にせっかく買ったのに残念だったと思うような内容ではなかったので(というかそういう情報収集について知っていたというのもある)購入したのだけれど。
これ、将棋ファンで三浦弘行という人の人柄をよく知ってる人なら良いのだけれど、ぜんぜん興味のなかった人が読んでみたとかだと、三浦先生のことを誤解しそうだなあとはやっぱり思った。


先輩の命令は絶対なのか、それともやっぱり何か得るものがあって付き合っていて、やりすぎちゃったよということなのかちっともわからないのでなんとも言えないのだけれど、そのあたりは本人だったり、一緒に研究をした若手に何がしかの話を聞いてもらいたかった。